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検査内容に関する Q&A

1. 日本微生物研究所の検便検査でSS+EHECセットとはどのような検査項目ですか。

S・Shigella(赤痢菌)+S・Salmonella(サルモネラ属菌)+EHEC(腸管出血性大腸菌) 赤痢菌・サルモネラ属菌・腸管出血性大腸菌3種類の検査を全てPCR法(遺伝子検査)で行っています。


2. 病原性大腸菌と腸管出血性大腸菌の違いは何ですか。

大腸菌はヒトの糞便中に多数常在する菌で、ほとんどは無害です。しかし、一部の大腸菌は腸管内で増えて下痢の原因になったり全身症状を起こしたりします。現在は次の5種類に分けられています。

① 腸管出血性大腸菌 (EHEC)
② 毒素原性大腸菌 (ETEC)
③ 組織侵入性大腸菌 (EIEC)          全てまとめて病原性大腸菌
④ 腸管凝集接着性大腸菌 (EAEC)
⑤ 腸管病原性大腸菌 (EPEC)

①~④の病原因子はおおよそ解明されていますが、病原因子がよくわかっていないもの全てを⑤の腸管病原性大腸菌に分類しています。原因が分かり次第⑤から独立すると思います。

3. 病原性を示す大腸菌の中で腸管出血性大腸菌だけが特別に危険とされる理由は何ですか。

他の病原性大腸菌は下痢と発熱程度の症状で乳幼児を除き自然治癒しますが、腸管出血性大腸菌の場合は更にHUSといわれる腎臓などの障害を引き起こし重症化・遷延して死亡することもあります。特に小児や高齢者はHUSを発症する割合が比較的高く、重症化しやすい。また、少量でヒト-ヒト感染をおこすので検便検査項目になっています。

4. ベロ毒素:VT1・VT2の違いは何ですか。

VT1は赤痢菌の産生する毒素と全く同じものですが、VT2は少し違っておりVT1より毒性が強いことが分かっています。特に腎臓や脳の細胞に対する毒性がVT1の100~1000倍あるとされ、溶血性尿毒症症候群(HUS)や急性脳症など起こした患者からの腸管出血性大腸菌はほとんどVT2を産生しています。検出された腸管出血性大腸菌のベロ毒素が、VT2を産生しているか否かを知ることは重要です。


5. インチミン(eae)についてわかりやすく教えてください。

菌が腸粘膜に接着(付着)するために必要な菌体表面にあるたんぱく質です。細菌が腸管内で病原性を示すには腸管内壁の細胞にくっついて増殖しなければ発症しません。ほとんどの腸管出血性大腸菌が持っている接着(付着)因子がインチミン(eae)です。発症者と健康保菌者から検出された腸管出血性大腸菌では、インチミン保有率は発症者:85%以上、健康保菌者14%弱と大きく違っており、インチミンが発症に深くかかわっていることがわかってきています。


6. ESBLについてわかりやすく教えてください。

細菌感染症の治療のために広く使われている抗生物質を分解して薬を効かなくしてしまう酵素のことです。この酵素を産生する主な菌は大腸菌や肺炎桿菌という腸管内常在菌です。これらESBL産生大腸菌はヒトの腸管内に保菌され、院内感染における集団発生の原因菌となることがあります。ESBLという薬剤分解酵素を産生する性質をEHECなどの病原菌が獲得すると治療が難しくなります。


7. PCR法と培養法の違いをわかりやすく教えてください。

培養法は目的菌の選択培地を使い、他の常在菌の中から見つけ易いように工夫した検査法です。しかし、腸管出血性大腸菌の場合はベロ毒素の産生の有無を調べなくてはなりませんが培養法で直接毒素を検査することはできません。そこで食中毒の報告の多いO26、O111、O157だけは選択培地(O157の選択培地以外の選択性は高くない)が市販されていますが、ベロ毒素の確定が必要となります。PCR法はベロ毒素を産生させる遺伝子を直接検出させるので、確実な方法で血清型によらず全ての腸管出血性大腸菌を検査できます。現時点で最も優れた検査法です。


8. 薬剤感受性試験についてわかりやすく教えてください。

検出された病原菌に対して有効又は、無効な抗生物質を決定する検査のことです。当社では病原菌が検出された場合には、陽性報告と同時に報告しています。ただし、赤痢菌・サルモネラ属菌・腸管出血性大腸菌以外は行っていません。